口腔(こうくう・こうこう:口のなか)、顎(あご)、顔面ならびにその隣接組織に現れる先天性および後天性の疾患を専門的に扱う診療科です。親知らずの抜歯やインプラント、癌など、口の中の外科的な処置を行います。交通事故やスポーツなどの外傷、顎変形症ならびに唾液腺疾患などの外科的疾患のほかにも、口腔粘膜疾患、神経性疾患、口臭症などの内科的疾患も含まれます。
この領域の異常は、食事や発音・会話がうまくできないなどの機能的な障害に加えて審美的な障害も生じます。治療により口腔・顎・顔面全体の形態や機能が回復させて、普段の生活を送っていただく。そのお手伝いをするのが口腔外科です。
一般的にはあまりなじみのない口腔外科。虫歯や歯周病の治療を行う一般歯科でも抜歯は行いますが、親知らずの抜歯を行う場合、口腔外科を紹介されることが多くあります。
■親知らずを口腔外科で抜く判断基準
1.かかりつけの歯医者で親知らず抜歯を行なっていない場合
かかりつけの歯医者で親知らずの抜歯を行なっていない場合は口腔外科に紹介してもらいます。
歯医者の方針によって親知らずの抜歯を行っていないところや、難しい抜歯だけを口腔外科に依頼しているところもあります。
2.親知らずが顎の神経に近接している場合
下の親知らずの近くには大きな神経と血管が入っている下顎管(かがくかん)というものがあります。親知らずの抜歯の際、下顎管に傷がついてしまうと出血が止まらなかったり、麻痺が残ってしまうことがあります。親知らずが下顎管に近接している場合は口腔外科で抜歯をした方がその後の対応を迅速に行うことができます。
3.親知らずが顎の骨の深くにある場合
親知らずが顎の骨の深くにある場合は口腔外科での抜歯をおすすめします。
このような親知らずを抜歯するには親知らずの周りの骨を大きく削る必要があるため、歯後に腫れや痛みが出る可能性が高くなるからです。
4.出血が止まりにくいなど体に病気がある場合
糖尿病や高血圧、骨粗しょう症、癌など、親知らずを抜歯する際に全身的な管理が必要な場合は口腔外科で抜歯した方が良いでしょう。体の症状が重篤な場合は親知らずの抜歯自体ができないことがあります。医科の主治医に確認の上、抜歯が可能かどうかの判断をする必要があります。
口の中の事だけれど、どこで診てもらえばいいか分からないという様な症状がありましたら、一度、近隣や掛かりつけの歯科医にご相談ください。処置ができる場合や、口腔外科医をご紹介するなどの方法をご紹介いたします。
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