虫歯を治療して被せた銀歯の下が痛む、という経験はありませんか? 知覚過敏が原因の場合もありますが、治療してから時間の経っている銀歯の場合、『二次カリエス』かもしれません。
二次カリエス<二次齲蝕(にじうしょく)とも言います>とは、虫歯治療で銀歯や詰め物をした後、歯と銀歯や詰め物の隙間から虫歯になることです。
原因はいくつか挙げられます。
1.銀歯が錆びている
銀歯が錆びると歯と銀歯の間に隙間ができ、銀歯の下に虫歯ができてしまいます。口の中は酸性、アルカリ性、熱い、冷たい、咬む力など過酷な環境です。金の割合が多ければこのような環境でも変化しにくいですが、保険の銀歯は金が12%しか含まれておらず、銀やパラジウムがほとんどです。そのため銀歯が酸化して、銀歯の下に虫歯ができやすくなります。
2.接着剤のセメントが溶けている
銀歯は、歯にセメントでつけます。口の中の環境によってセメントは徐々に溶け、隙間となり、銀歯の下で虫歯ができてしまうのです。
3.新しい虫歯ができている
銀歯が入っている歯は以前虫歯になった部分です。銀歯と歯の境目には目で見てもわからないほどの段差があり、歯垢が残りやすく虫歯になりやすい部分です。しっかりメンテナンスしてあげないと歯と金属の隙間から虫歯になり、金属の下に虫歯が広がります。
4.虫歯になっても銀歯は取れない
一部が虫歯になっても他がピッタリはまっていたり、セメントで付いている部分があると銀歯はすぐには外れず、銀歯の下で虫歯が広がってしまいます。銀歯が外れた頃には虫歯が大きくなっていることが多いのです。
5.虫歯の取り残し
治療で虫歯を取り残してしまうと銀歯を付けても銀歯の下で虫歯が広がります。
近年は虫歯治療の方法によって 虫歯で柔らかくなった部分を残し、再生させる方法などもあり、すべての虫歯を取りきらない場合もあります。その場合は経過観察が必要なのでどのような治療を受けたのかかかりつけの歯医者で説明を受けてください。
銀歯の下は目に見えないため、虫歯になっていても気づきにくく知覚過敏だと思って見過ごしてしまうことがあります。痛くなる頃には虫歯が大きくなって神経を取らなければいけなくなる可能性もあるため、長く続くようであれば掛かりつけの医師にご相談ください。
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